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中城ふみ子賞次席作品

 『平面世界』


平行でない直線と直線は交わるようになっている世界

二メートル向こうに君の世界があるらしいが眩しすぎて見えない

森に逃げ込んでもすぐにわかりますオカリナの音を訪ねてゆけば

人眠る夜テーブルに残されたグラスの底で輝くミルク

有限の果ては素数の不確かさまた確かさに守られており

転勤の挨拶状に見せかけていますが実はラブレターです

顔も名も居場所もわからない君のせめて密度を夢想している

眼差しに気付いてくれよ 奇数月の第二火曜日だけでいいから

いつまでも飛び立つことを許されず天井裏に一面の星

声色はいつもと変わらないけれどどこ吹く風がさりげなく春

炭酸にメロン果汁を搾っても美味しくないよね、それと同じ

とりたてて交わす言葉の要らなさを噛み締め合って過ごす休日

現実が夢を攫ってゆくときの苦しくなさを我慢できない

最近は視力が弱ってきたようで夢の続きが見えなくなった

滑らかで硬い二枚の平面は離れぬように強く吸い合う

反乱を是とするならばそうだねえ僕のところへおよめにおいで

うわさでは知っていました みずうみのなかで祈りは渦になること

結論は見えないままに今回の目的地として八王子まで

つま先で立つ人間の集団に追いかけられてややつま先立ち

平行な光すなわち無限遠より差してあまねく映し出すもの

ありがとういつもいっしょにいてくれて痛みを思い出させてくれて

わからない 昨日と違う唇のかたちで愛を囁かれては

託された羽と鎖を天秤にかけているときのくちびるの色

明日には忘れてしまう夢だから今日はご飯の話をしよう

僕たちは擬人化された街の中で暗喩のように息をしている

生きるより他ないだろう流れゆく時間の淵に垂れ下がってでも

昨日より楽しくもない一日を君の未来に向けて擲つ

息継ぎができない者の苦しみに気付かないほど幸せであれ

いまさっき君から立ち上ったもの(ひかってたっぽい) あれは意思ですか?

孤独とはたまごボーロのことですねそれなら私のなかにあります

回転で重なるものを同一視することによりひとつになれる

雨に濡れながら家路につくことを今宵の罪の代償として

握りしめたアルミパイプを離せないままに温度が奪われてゆく

ぶちまけたものは自分で拾います(みんなが僕を見ていてくれる)

憂鬱を隠していても魂胆は見抜かれていて雨が降りそう

僕は僕の人生という映画にてどうやら主役でなかったようだ

包み紙みたいに君を守っては裂き捨てられてしまうのだろう

まなうらに残る世界に幸せを祈ることしかできない未来

ときどきは思い出してねたくさんの傷のひとつとしてでいいから

どんなにか楽しんでいることだろう僕の姿が見えなくなって

辿り着けなかったほうの未来ではふたりを風が包んでますか

全円に近くなるほど加速度を増して もうすぐ届かなくなる

父親を「おとう」と呼べば動き出す夕陽の中の蒸気機関車

僕が言うところのさようならの意味は「すべてよ君に降り注げ」です

シグナルよ点らば点れ僕たちはLEDなんかには負けない

僕はまだヤミの途中に迷いいてゲル状のものを踏みつけている

街中に残されている足跡に君のひとつを見つけたようで

オロナイン一瓶あれば痛ましい都会の中も歩いてゆける

新しい部屋の空気を吸ったとき少し元気になれますように

三月の真昼の空は僕たちを見下ろすように少し眩しい

テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル:学問・文化・芸術

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